4月26日(金) タタールスタン共和国、カザン
午前7時半、起床。
俺にしてはやけに朝早く目覚めた。そういえば先日まで滞在していたクラスノヤルスクと4時間もの時差があるから当然か。
ロシア国内にはなんと9つものタイムゾーンが存在している。シベリア鉄道で東から西へロシアを横断することは即ち、時間が少しずつ巻き戻っていくということに他ならない。
身支度をし、まずは昨日もお世話になった食堂へ向かう。
早起きして朝飯を食べる。

青空の下散歩をする。

なんて良い1日のスタートなんだ!!!!!
カザン・クレムリン


クレムリンとは、中世にロシアの各都市に築かれた城壁のこと。日本で例えると大阪城や、姫路城的な立ち位置だと思われる。
クル・シャフーリフモスク

ここカザンのランドマークとなっている建物。その造形の美しさから、圧倒的な存在感を誇っている。
内装はこんな感じ。

クレムリンから見たカザンの景色

その後もひたすら散歩

いい雰囲気。

こんな景色見たら寂しなってきた笑
一人旅って最高に自由やし楽しい反面、寂しさとの闘いでもあるよな。
今ここにあいつがおったらおもろいのにな、とか考えてまうからな。
よし、今日も歌うぞ。
まずは公園のベンチで練習。
歌とギターはそんなに急にうまくなるってことは無い。とにかく今はハーモニカや。ハーモニカの上達がそのままパフォーマンスの質に直結する!!!
1時間ほどハーモニカを吹きまくり、午後1時頃にバウマンストリートへ向かう。
このストリートは、夕方~夜にかけて大音量バスカー達の巣窟になる。
あの強者どもに真っ向から勝負を挑んでも勝ち目はない。
チャンスはあいつらがやってくる前の時間!昼過ぎあたり、人通りが増え始める頃がチャンスや!
日本人なりの戦い方。スモールベースボールってのを見せてやるぜ!(野球ではない
だがしかし、、、、
既に歌っている人の姿がちらほら
絵描きたちもいっぱい

みんな金曜日の昼間っからなにしてるんや!!!
暇かよ!!!!!(お前が一番暇
それでもめげず、ひたすら歩き回って町の様子を観察し、やっとの思いで場所を決定!
ギターケースと看板を設置し、即席のステージを作り上げる。チューニングを合わせ、行き交う人々に向かって声を放っていく。
1曲歌い終えたところで、1人のおっさんが話しかけて来た。
「俺も一緒に演奏していい?!?!」
まじか!!!笑
急すぎやろ!!!笑笑笑
「全然ええでー!ってか何の楽器やるん?」
「パーカッション!今から帰って取ってくるからちょっと待っといて」
展開早すぎやろ
おもろいことになってきた
おっさんが戻ってくるのを待ちながら、1人で演奏を続ける俺。
ちらほらこっちを見て笑顔になってくれる人。立ち止まって1曲丸々聴いてくれ、拍手してくれる人。大学で日本語を学んでいると嬉しそうに話しかけてくれる人。
今日は今までで一番反応が良い!!!!!
こんなにしっかり聴いてくれるとやりがいが全然違う!
楽しいな!
30分ぐらいしてパーカッションのおっさんが合流。

ラマンさん。
普段はデザイナーの仕事をしているが、趣味でパーカッションに打ち込んでおり、よく仲間たちとこのストリートで演奏しているらしい。
「君の演奏に合わせるから、好きなようにやってくれたまえ!」
言われなくてもそうするぜ!笑
頼むぜおっさん!
よく分からない東洋人とラマンさんが演奏している姿を見て、人々はニヤニヤとした視線を送ってくる。
「俺に踊らせろ!!!」
途中からダンサー?の少年も合流し、3人がかりでのパフォーマンスに。

なんだこのわけの分からないトリオは?!?!
と、道端に急遽現れた神出鬼没のパフォーマーの姿に、人々は好奇心の目をむき出しにしてこちらの様子を伺ってくる。
エンジン全快。
ここぞとばかりに、ベン・E・キングの名曲スタンドバイミー、ザ・ハイロウズの日曜日よりの使者を演奏。
テンションが上がり過ぎたのか、突如踊り始める女子大生の2人組。
そこにラマンさんがマラカスを放り投げ、パーカッションが更なる盛り上がりを見せる!?!

いやー楽しかった。
おっさん最高かよ。
しかしなんで俺に声かけてくれたんやろな。お互い演奏に夢中でそんな喋ってないわ笑
その後休憩を挟み、再度一人で1時間程度演奏し、この日は終了。
夜のストリートを歩くと、至るところに音楽を楽しむ人々の姿が。


ここの人らは、ほんまに音楽を愛してるんやろうな。いや、音楽だけじゃない。ダンス、絵、その他のパフォーマンスも全て。
エンターテイメントを積極的に楽しもうとする姿勢を持ってる。目の前の楽しいことに身を委ねる心のゆとりを持ってる。
そういうところ。昨日も書いたけど、アイルランドの雰囲気に似てるんよな。
日本にもこういう場所があったらええのにな。
タタールスタン共和国、首都カザン。良い場所を知れてよかったわ。
だがしかし、チップの入りはなかなかシビアやった笑。楽しんではくれるけど、そう簡単にお金は払ってくれんよここの人は。
人生甘くねーな。
そんなことを考えながら、宿に戻るだいさちであった。
つづく。
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