9日目「台湾のガンジー」

4月18日(木) ロシア、イルクーツク

 

午前9時、起床。

天気は快晴。

本日は先日宿で出会った台湾人の直樹さんとバイカル湖へ。

9時半に宿を出発し、歩いてバスターミナルへ。バスで約1時間かけて、世界一深いと言われる湖へと向かう。

 

約1時間後。

 

うおおおおおおおおおおおおおおおおお

こんな景色見たことねえ。

どこまでも青く澄んだ空の色。混じりけのない白と、青の境目に見える雄大な山々。世界最古の湖とされ、その美しさから「シベリアの真珠」の異名を持つバイカル湖。

その名前は伊達じゃねえな。

久々に、心が澄み渡っていくような光景に出会えた。

 

よっしゃ歩くで!!!
凍った湖の上歩くで!!!!!


意気揚々と湖に駆け寄る俺。


バリン、ズドーン。

 

ん?

あかん!これはあかん!
思ったより氷うすいかんじのやつや!!!
足冷たすぎやろ!!!


「思い切り良いな笑」

「まあ、旅人やからな笑。後先考えるタイプやったら旅人になれへんやろ笑」

改めて周囲を見渡してみると、遠くで人が湖を歩いているのが見える。

 

あっちが歩けるとこか。

完全にやらかした。


凍った湖の上をこの足で歩く。

そんな酔狂で阿保みたいに思えることが、ここロシア、バイカル湖ではいともたやすく実現できてしまうのだ、、!!!!


だが、満足という言葉を知らない俺たち。


「氷上ライブやろうぜ!(アホか」


相棒のTaylorをわざわざ抱えてきてくれた直樹さん。

これは歌うしかねーだろ!!!

こういうのに命かけるのが旅人ってもんよ。


いやー楽しかった。

一生忘れんわ。

 

 

夜。宿で2人でギターを触っていると集まってきた宿のスタッフの皆さん。

突然のライブ開催!!!!!

直樹さんと俺が1曲ずつ交互に演奏し、宿は拍手と歓声、笑顔に包まれる。


音楽は国境を超えた。

日本、台湾、ロシア。

国籍も言語も何もかもを超越し、人と人を繋いでくれる。

こういう瞬間のために生きてるといっても過言ではない。
こういう瞬間があるからまた頑張ろうって思える。

それにしても直樹さんはギターも歌もハーモニカもうめえ。

しっかりと聞かせる技術があるし、丁度よい具合に感情が入るし、1曲1曲をもの凄く丁寧に歌い上げる。

それに対して俺は完全に力押し、感情全開って感じ笑。ど真ん中ストレートしか投げれないタイプや笑。

もっと練習しよ。

 

今日は直樹さんと色々な話をした。
音楽の話、旅の話、台湾についての話、、、、

台湾。

台湾は長年の間、国際的に窮地に立たされてきた。

中華人民共和国が唱える「一つの中国」論。中国は台湾を国家とは認めず、中国の一部だとしている。

台湾は独自の政府を持っているにも関わらず、未だに多くの国々から「国家」として承認されていない。

年々中国からの圧力がより強力となり、ここ3年の間に、台湾を国家とし、外交関係を結んでいた5カ国が相次いで断交し、中国との国交を樹立。

台湾と正式に外交関係がある国は20にも満たない。

日本についても、1972年に中国との国交を樹立して以降、台湾と断交したままだ。

 

日本人の一般的な感覚からすると、台湾を国家だと感じている人は多いんじゃないかな。

親日で知られる台湾。

その距離の近さから、週末や連休を使って訪れる日本人も多いと思う。


「このままだと台湾は中国に飲み込まれてしまう。台湾には、台湾の人々が暮らしている。確固たる政府が統治している。台湾は国だ。国として認められるべきだ。」

「でも、それは世界の人々に伝わっていない。台湾人にも危機感が無いし、現状維持で良いと思っている人も多い。でもそれでは駄目だ。このままだと台湾の未来は危うい。」

「もっと多くの人に台湾の現状を知ってもらいたい。知ってもらうだけでも良い。だから僕は世界で、歌を歌いながら台湾のことを伝えていきたい」


胸に熱いものがこみ上げてきた。

台湾に住む人々の感情をとても推し量ることはできないが、常に宙に浮いているような感覚なのではないかと想像する。


日本人として、日本に生まれたこと。

海外にいても日本のパスポートさえ離さずに持っていれば、ある種の絶対的な安心感を得ることができる。

それは日本という国家の歴史、信用、国際的地位を表すもの。

日本という世界で認められた国家としての正当な証。

 

生まれた国が国じゃない。

考えたことも無かった。


直樹さんは、台湾のガンジー的存在になっていくんやと思う。

一日本人として、一ファンとして、そういう未来を願ってる。

 

俺は、何のために歌うんやろうな。

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